私の仕事への概念は古く、当然のように「起業」や「経営」という認識もちょっと古い。
起業は一世一代のようなチャレンジで、なんならちょっと博打的な感じの印象も強かった。
多額の資金を調達して、小難しい経営計画を練り、心から誇れるような経営理念の元、やっとこさ会社を立ち上げ、人生で成し得たいことを生業とする。
そんなイメージ。
だから自ずと「経営」も力が入っているし、なんならちょっとやそっとのことでは逃げ出せない物だと思っている。
でもね。
最近の方々はそうじゃないらしいんですよ、奥さん。
ネットご近所の奥さんである「明日も暮らす。」の梅つま子さんに勧められた怪しい本が、どうも巷ではすごく流行っているそうなんです。
若者の心をズタズタに突き刺して虜にしているんだとか。
それがこちら。
つま子ちゃんとは、どうもこの辺りの話で盛り上がってしまう傾向があって、ついつい長く(文字で)話し込んじゃいました。
お互い、ちょっとずつ違う思考だけど、それでもなかなかこういう話をできる人はいないので、これからも大事にご近所づきあいをしていきたいわぁ。
でね。
あら、ちょっとやだ。
相変わらず斜に構えて「ちょっとだけよ」とめくってみたら、これが本当にいい意味で私の心をズタズタにしてくれてね。
でもこんな事が現実になれば主婦にとってもすごくキラキラする世の中が待ってるんじゃないかって、思うようになって…。
また、つま子さんと鼻息荒く語り明かしちゃったのよ。フンフン
今日はそんな読書記録です。
起業はもはや「大きな壁」ではない。小学生のハードル競争並に低い!?
先述したように、私の起業や経営に関する印象は硬くて重たい。
重たくて重たくて、始めようと思う気力すらわかない。
しかし、この本のえらてんさんが言うにはビジネスに必要なことは「日常生活で必要なものを作り、余った分を売る」そうなんです。
この「いつもやっている行為をお金に換える」という発想は「しょぼい起業」の基本的な考え方のひとつです。これを「生活の資本化」(コストの資本化)と呼びます。
引用:しょぼい起業で生きていく [ えらいてんちょう ] P39
生活の中で自分のやれること・日常やっていることを事業化する、というのは鉄則です。
引用:しょぼい起業で生きていく [ えらいてんちょう ] P45
ほほう
なんだか日々、「やらなきゃいけないこと」に追われた主婦にとっては、これが全て事業化できると言うこと?
それってなんだかハッピーじゃない!?
「とりあえずサラリーマン」と言う価値観の終焉・・・。
ところが、バブル崩壊後のいわゆる「失われた20年」で、このビジネスモデルは完全に崩壊しました。働く側としては、会社がいつ潰れるか分からない、つぶれなくとも自分がいつリストラされるかわからない。会社側としては、とにかくつぶれないために人件費を削減したい、だから高い給料の高年齢層をリストラし、若い人材を安く雇い、仕事合理化して、ひとり当たりの業務負担を大きくする。こうなると、それぞれは最適解を出しているはずなのに、「サラリーマン」という選択肢が決して若者にとって最適解ではなくなってきます。
引用:しょぼい起業で生きていく [ えらいてんちょう ] P22〜23
私は人より就職活動をするのが遅かったんです。
みんなが揃いも揃って就職活動をして、楽しくもなさそうな社会人になることにずっと疑問を感じていたからです。
だって「収入を得る」だけなら、当時から株式投資だってあったし、バイトの延長で正社員になることだってできた。
何より私には社会に出て成し得たいことが全くなかったし、大人がみんな死んだ魚のような目をして見えた。
だからずっと、就職活動に踏み出せずにいました。
しかし、先輩に「新卒で就職活動できるのは1回しかないんだから、まずはやってごらん」と押されつつとりあえず就職活動を始めました。
そう、お金を稼ぐだけであれば、別に「就職すること」が全ての答えではないのです。
しかし残念ながらその当時のわたしには、えらてんさんの様な「働きたくない!」と言う強いゴネもなければ、その先にやりたいことすらなかったのです。
結果、厚かましくも「仕事ってね…」なんて自分の価値観を築くことができ、今となっては就職活動をした甲斐があったわけですが…。
と、そんな私が言うのもあれですが、全ての最適解がサラリーマンであると言う時代は確かに終わったのだと思います。
最初から一攫千金を狙ってはいけない
まぁ、とりあえず「起業」なんてワードをちらつかせると、だいたいうまい話をねじり込んでくる輩がいるのですが、やっぱり世の中そんなに甘くない。
このえらてんさんの、実に堅実なところが「最初から一攫千金を狙わない」という部分でしょうか。
なんだ夢がない、つまらないな。
と思う方もいらっしゃまいますが、やっぱりそれには訳があります。
「しょぼい起業」で農業をやるのであれば、まず考えるべきなのはまさにこれらの、自分がふだん食べている野菜の生産です。自分がふだんお金を払って買っているものを自分の労働で作れば、そのぶんの支出が減り、事実上収入が増加することになりますね。これも「生活の資本化」のひとつの例です。結果的に、いっぱいできて大儲けになるかもしれません。ですが、あくまでもそれは結果の話です。最初から大量生産して一攫千金を狙ってはいけないのです。それはしかるべき知識と技術と土地と、失敗をしてもリカバリーできる生活手段を持った人がやることです。
引用:しょぼい起業で生きていく [ えらいてんちょう ] P39〜40
だとすれば、主婦の身近なアクションこそが主婦の生活を変えていくムーブメントになるのでは!?
おやおや、またがっちゃんの妄想癖が始まりましたよ、とダッシュでスクロールしようとしてる、そこの奥さん。
いやいやだってね。
主婦って生き物は、やらなきゃいけないことがたくさんで、でも実は小さなやりたいこともたくさんあったりはしないでしょうか?
じゃあ、それをビジネスにつなげて行ったらどんなに選択肢が増えることか。
例えば
⚫️子育てママの自分発見ワークショップ
ワークショップが好きなママさん × 子育てを終えた5年後の自分を見据えたいママさんのコラボ
⚫️ご飯の盛り付けやテーブルコーディネート
ただでさえご飯作りが苦手な上に盛り付けも下手な主婦代表のわたし × どんな料理も盛り付け一つで料理本のように魅せてくれるテーブルの魔術師
⚫️朝の5分でまとまる!髪型別髪型アレンジ
毎日同じ髪型すら整えられないヘアセット苦手女子 × 簡単なまとめ方や整髪剤を知っている潜在美容師
⚫️自宅解放のプチ学童
公文などの自宅解放の自営業をやっていた跡地 × 交代で子供達を見守る主婦やボランティア
⚫️家庭菜園シェア
あまりがちな野菜の種をシェアしてお互いの畑で育てる
余った土地を貸し畑にしてスペースを活用させる
こんなお金にもならないようなことでも、毎日必ず続いていくことだからこそ、生活へのしわ寄せも少なく、長続きしそうかも。
「好きなことや得意なこと × やらなければいけないこと」
この組み合わせならやる側も受ける側もWIN-WINで続けられやすいかもしれない。
そしてこう言うビジネスがどんどん広がれば、幼保無料化よりももっと子育てしやすい社会が待っているかもしれないじゃないですか。
そうそう。
他にも梅つま子ちゃんが思いつくアイデアはここから読めます!
>> 子育て中の主婦が起業できる?子供がいてもできることって何?企業の可能性について吟味してみた
言っちゃあなんだけど、「好きの渋滞」ならわたしも大渋滞中なのよ
毎日ブログも書いて自分が感じたことややったことを文字で残していきたいし!
半給半足の生活に憧れがあるから家庭菜園だってもっといろんな方法でチャレンジしたいし、そのコミュニティも広げたい!
今回のようにいつもは読まない本をだれかから勧められて読んでみたいし!
最近スモック作りに明け暮れてるけど、もっとハンドメイドもやってみたい!
大渋滞。
・・・大渋滞、大渋滞なのよぉぉぉ涙!!
だから、私ももっと自分のやっていることをビジネスのように仕組み化したり、何かと組み合わせることで棚卸できれば、わたしも楽になれるかもしれないし、結託した誰かも楽になれるかもしれない。
さらにはちょっとのお小遣いが生まれたり、派生して成果や変化が見えてくるかもしれない。
そしてそこで得たもので、もっと大きなビジョンにもチャレンジできるかもしれないし、そう言った夢も膨らむかもしれない。
全てはまだ「かもしれない」だけれど、それはやってみなければわからない。
がっつり育児もあと5年。この本で未来の私の固定概念という足枷は外れた。
えらてんさんの「しょぼい起業で生きていく」を読んで、ビジネスというものがぐっと身近に感じた。
あと5年程度で終わってしまう私のがっつり育児期間の後。
何が待っているかはわからないけれど、もっと気楽に生きていけそうなのは間違いない。
奥さん。
「起業だなんて、大それたこと、めっそうもない」って思ってるでしょ。
私も思っていましたよ。
この本に出会うまでは。
そうそう、余談ですがもっと噛み砕いたものがこちらです。
お子さんとお店について学ぶならこちらがいいかなと。
経済学の基本を絵本にしたものです。
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